第173話

わたしは笑顔を返した。

「はい、おかげでぐっすり眠れました。ありがとう」

「どういたしまして、アリス。次に何か問題があったら、言ってね」

「わかった」

彼女は満足そうな表情を浮かべた。わたしは実際にお茶の箱さえ開けていなかったけれど、彼女が自分の力で問題を解決したと思わせれば喜ぶだろうとわかっていた。

プログラムの練習を終えたとき、ギデオンが低いリンクの柵に寄りかかっているのに気づいた。わたしは彼に微笑みかけ、彼の方へ滑っていった。柵が私たちの間にあったけれど、わたしは彼を抱きしめ、キスをした。

「どうしてここに?」と尋ねた。

「君が大丈夫かどうか見に来たんだ」

わたしは目を回したけれど、彼...