第49話

私たちは互いに顔を見合わせた。

「彼は生まれた時からあなたを育てた人なのですか?」父が彼女に尋ねた。

「はい」

「アリス、カナダでの住所を教えてもらえないかしら?」

彼女は父を見て、それから私を見た。

「彼に答えてもらいたい質問があるんだ」私は彼女に、これから何をするつもりなのか少しでも分かるように伝えた。

「彼を傷つけるつもりなの?」彼女が尋ねた。

父が何か言おうとしたが、彼女がこの質問をしたのは単なる好奇心からであって、彼を守りたいからではないことを私は知っていた。

「正直、もし彼を見つけたら、生きては帰れないだろうね」私がそう言うと、彼女は父を見た。

「カナダの住所を教えます。それに、彼...