第83話

彼は一言も言わず、ただそこまで車を走らせた。

到着すると、私は車から降りた。彼は銃を持って私の後に続いた。私は争いたくなかったので、自分の銃は持ってこなかった。私がただ望んでいたのは、話し合うことだけだった。自分が誰で何を望んでいるか伝えると、彼らは待つように言った。約10分ほど待っていると、カルロがフェンスに向かって歩いてくるのが見えた。

「前回、十分明確じゃなかったのか?」彼は私に尋ねた。

「争うつもりはないんだ。ただアリスに会いたいだけ。ほんの一分だけでいい、頼む」

「それはできない」彼はそう言うと、背を向けた。彼は家に向かって歩き始めたが、私は彼を行かせるわけにはいかなかった。

「一分...