第70話

終わりなく続く廊下を歩きながら、私は迷わないように部屋番号に気を配っていた。

ホテルは巨大だった。単なるホテルではなく、中世に建てられた宮殿が、今や豪華な五つ星ホテルに生まれ変わったのだ。古代建築と現代の装飾が混ざり合い、王族のような雰囲気を醸し出していた。壁には傑作の絵画が飾られ、天井からは金色に輝く豪華なシャンデリアが吊り下げられていた。廊下の両側には金メッキされた大きな花瓶が置かれ、その間には赤いカーペットが敷き詰められていた。

目的地に近づくと、一対のガラスドアによって他のエリアと完全に隔てられた区域を見つけた。ガラスには「VVIP区域」と赤い太字で書かれていた。ドアの両側には黒い...