第163話

アローラの視点

風が心地よく、私の顔や髪を通り抜けていく。ジープの助手席に座りながら、その感触を楽しんでいた。サニーは後部座席で妖精(シーディ)についての本を読んでいる。これは新しく祖母となった人が自分の図書館から取り出してくれたものだ。サニーに何が起きたかを知った祖母は、サニーが自分の正体とその歴史について知るのに役立つだろうと思い、城に本を送ってくれたのだ。

儀式の前に祖母と会った時は、興味深く、また涙に満ちた時間だった。私は祖母が黒魔術の支配下にないときは、実は本当に良い人だということを知った。ベアトリスは黒魔術に操られた経験があるため、この点で最も祖母と共感し合っていた。祖...