第217話

ダリエンはセレニティが自分の席に戻らなければならないとき、悲しそうだった。今、彼は彼女を膝の上に座らせ、腕を彼女の腰に回して離そうとしなかった。彼はセレニティの首筋に顔を埋めていた。

「でも離したくないよ。なんでここにいられないの?不公平だよ」ダリエンはとても子供っぽい言い方をしたので、アローラは十八歳のアルファ狼ではなく、五歳の子犬の声を聞いているような気がした。

一方セレニティは、ダリエンが彼女の首の窪みに鼻をすりつけてくすぐるたびに、クスクス笑いが止まらなかった。セレニティは、すでに強まりつつある二人の絆を通して、彼の別れたくないという本当の気持ちを感じていた。

ダリエンはセレニテ...