第22話

ダリエンの視点

注文が終わると、私たちは食事と飲み物を待ちながら落ち着いた。そこでシラス長老がテーブルに書類鞄を置いた。中の書類について父に説明している。そして父がアローラに向き直る。言葉が進むにつれ、アローラの顔から血の気が失せていく。私たちは皆、その情報のために彼女の方を見ていた。

祖父の遺言により、アローラは北大陸オオカミ族の中で最も歴史的な財産の所有者となったのだ。彼女が新しい名前でサインと頭文字を記入している間、何か様子がおかしいことに気づいた。彼女は何も言わない。表情は凍りついたようで、顔色が青ざめている。

全てにサインした後、彼女が言ったのは「私、自由になったの」と...