第233話

花々の香りと木々の葉を揺らす優しい風、そして水が岸辺に打ち寄せる音にアローラは目を開いた。彼女が目を開けると、明るい青い花を咲かせた巨大な柳の木の長く垂れ下がった蔓状の枝を見上げていた。木の上の空は淡い青色で、ふわふわとした薄灰色の雲が浮かんでいた。

起き上がったアローラは周囲を見回し、その木が小さな丘の上にあるように見えることに気づいた。木の周りには、垂れ下がった蔓の下に守られるように、腰の高さの本棚が二十列並んでいた。棚は十段重ねで、その間には鮮やかな色のクリーピングタイムが敷き詰められた広い通路があった。タイムの花は青、ピンク、紫、赤のさまざまな色合いで咲いていた。

本棚の十列は白い...