第58話

私は意識を失ったり取り戻したりしていた。目を覚ましていようと戦う意味はなかった。窓のない部屋に一人閉じ込められていた。今の状態では拘束から逃れられないことはすでに分かっていた。得られる情報もなく、脱出を計画したり実行したりする余地もなかった。周囲に警戒するよりも休息が必要だった。それでも訓練のおかげで、あまりにも深く意識が沈むことはなかった。時々体が跳ね上がって目が覚めると、何も変わっていないことを確認して再び意識が沈んでいった。時間感覚は完全に失われていた。この椅子に座っていたのがどれくらいの時間なのか見当もつかなかった。何時間も経っているかもしれないし、何日も経っているかもしれない。だが、...