第38話

ワイアットとのキスで感じたのは、ただただ安堵と幸せだけだった。両親を亡くして以来、ようやく帰る場所、居場所を見つけたような気がした。ここが私の居場所だ。あまりにも早く、ワイアットは身を引き、目には幸せだけが宿った表情で私を見つめた。

「僕は君を守り、敬い、大切にする。俺、ワイアット・ディーン・エヴェンスは、ニナ・エリザベス・マッコイを伴侶として、そしてルナとして受け入れる」

「私、ニナ・エリザベス・マッコイは、あなた、ワイアット・ディーン・エヴェンスを伴侶として、アルファとして、そして王として受け入れます」

最後の「王」という言葉に彼の顔に浮かんだ困惑が見えたけれど、群衆から沸き起こる歓...