第6話
ピピピ、ピピピ、ピピピ。目覚まし時計が鳴り響き、午前9時を知らせていた。私たちがパックハウスに行かなければならないのは午後3時からだ。パーティーは午後3時から5時まで、その後ディナーに行ってからプロムに参加し、ダンスが続く。準備には3時間かかるだろう。まだ時間を潰す必要があった。結局、私たちは掲示された成績を見ることにした。
「あっ！」驚きの声。「うそ、全部合格したわ」とホリーが言った。彼女を見ると、目に涙が浮かんでいた。学校は彼女にとっていつも大変だったけど、彼女は自分を押し続けてきた。オールAの生徒ではなかったが、Cを取ったことは一度もなかった。
「私も合格したわ！」私は誇らしげに言った。
「当てずっぽうだけど、全部Aでしょ？」彼女は少し不満そうだけど嬉しそうに言った。
「そうよ、でもスーザンが首席になったから私はそれでいいの。スピーチしなくて済むわ！」私は笑ったが、少し傷ついていたものの、主に安堵していた。人前で話すのは私の得意ではなかった。
「準備するまで映画でも見ましょう！」とホリーが言った。
「いいわ、私がスナックを持ってくるから、あなたは映画を選んで」
ソーセージ、チーズ、クラッカーを片手に、チョコレート、ポップコーン、炭酸飲料をもう一方の手に持って戻ってくると、私たちは一日中スナックを食べて笑い合った。授業に合格したと知って本当にほっとした！嫌な気持ちは全くなかった。
やがて、ホリーは私の髪を引っ張り、化粧品で私の顔を攻撃し始めた。彼女は私の髪の半分を優雅な編み込みで後ろに結び、顔の周りに束を残して、それをカールさせた。私の頬は十分に赤みがあるので、ほんの少しのチークとスモーキーアイを施した。ドレスに滑り込むと、鏡を見た。自分が誰だか分からないほどだった。見事だった。私のオオカミのネックレスが全体をまとめ上げていた。ホリーは低めのサイドバンに髪をまとめ、顔の周りに束を残し、ドレスに合わせたダークブルーのスモーキーアイで現れた。彼女は見事な姿だった。
「すごいわ、ホリー！あなたのメイトになる人が羨ましいわ！」と、私は心が痛むようなふりをして言った。
「まあ、ニナ、あなた想像以上に素敵よ！もちろん、私の功績も大きいわ！」
「もちろん、あなたが—」
「女の子たち、そろそろ行く時間よ！」母の声が私の言葉を遮った。「素敵なドレス姿が楽しみだわ！」
「ああ、もう泣きそうな声ね」と私は顔をしかめた。
「聞こえてるわよ。さあ、こっちに来なさい！」母は厳しく言った。ホリーにニヤリとして、私たちはリビングルームへ向かった。母を見ると、彼女は顔から涙を拭い、父は苦しそうな表情をしていた。
「どうしたの、お父さん？」と少し心配して尋ねた。
「タートルネックのドレスの方が良かったけど、二人とも美しいよ」と彼はささやいた。
「私もあなたを愛してるわ、お父さん！」
「さあ、こういう甘い話はもう十分だ。君たちを誕生日パーティーに連れて行こう！」父が言った。彼は仕事があったので、彼のトラックで私たちをパックハウスに連れて行くことになっていた。
突然、私はそれを感じた。不安な予感が襲ってきた。普通に振る舞い、心拍数を一定に保とうとしたが、少し上がってしまった。バックミラーで父の目が合うと、彼は疑問を投げかけるように私を見た。
「大丈夫か、ハニー？」父が心のつながりで尋ねた。ありがたいことに、ホリーは興奮しすぎて気づかなかった。
「うん、ただ今夜について嫌な予感がするだけ。きっと何でもないわ。あなたも知ってるでしょ、こういう感覚」私は安心させようとした。
「うーん、必要ならいつでも心でつながって。必要な時はいつでもそばにいるからね、スウィーティー」
「わかってるわ。ありがとう、お父さん。愛してる」
「私も愛してるよ」
パックハウスに着くと、すでに子供たちでにぎわっていた。ゲームルームがパーティー会場に変わり、すべてのゲームが撤去され、テーブル、スナック、飲み物が追加されていた。アルコールもあった。年齢に達していれば飲めるが、オオカミを酔わせるにはかなりの量が必要だった。しかし、17歳以下は許可されていなかったが、パックの敷地内にとどまる限り、厳しく取り締まられることはなかった。私たちは自分たちのドリンクを注いだ。ホリーは甘い飲み物が好きでセックス・オン・ザ・ビーチを選び、私はウイスキーが好きなのでクラウンロイヤルとコーラを注いだ。
「トイレに行かなきゃ！」ホリーは音楽越しに聞こえるように大声で言った。
「いいわ、すぐ後ろについてくわ」
途中までいくと、ホリーが突然立ち止まった。彼女は空気を嗅ぎ始め、トイレから離れていった。彼女はどうしたんだろう？私は彼女を追いかけようとしたが、多くの人がいたため、彼女はあまりにも素早く動いていた。ようやく彼女に追いついたとき、彼女はヘッドライトに照らされた鹿のような表情で、まっすぐ前を見つめていた。頭を回して、彼女が見ているものを確認した。それはダミアンだった。ホリーが「メイト」とささやくのを聞いたとき、私の胃の底に沈む感覚が広がった。
いや、いや、いや、いや。それはありえない。彼は私のメイトのはずで、ホリーのメイトではない。私はダミアンを見つめたまま恍惚状態に陥っていた。涙が目に溜まり始めるのを感じた。息を吸っておらず、ダミアンはホリーと私の間を見て、どうすればいいのか分からない様子だった。トレバーとザックが彼の両側に立ち、驚いた表情を浮かべていた。誰も信じられない様子だった。彼は私のメイトであるはずだった。私の！
「ニナ、私は…」ホリーは何を言うべきか、何をすべきか分からず言葉に詰まった。みんなは私がどう反応するか見守っていた。恍惚状態から抜け出すと、レイヴンが私の耳元で大きく吠えていた。彼女は私の心の痛みを自分のことのように感じていた。私の人生全てが嘘だった。すべてのキスセッション、すべての真夜中の会話。それらはもう失われたと分かっていた。ダミアンが私に一歩近づいた瞬間、突然、彼を止めるような唸り声が聞こえた。
見ると、ホリーは口を覆い、驚いた表情をしていた。私はダミアンへの気持ちを全て彼女に話していて、彼女は私がどれだけ彼を愛しているか知っていた。私たちの友情はこれを乗り越えられないだろう。それは確かだった。彼女はすでに彼に対して所有欲を示していた。彼女は恐らく彼が自分を拒絶するのではないかと恐れていたのだ。彼女のためにも私の心は砕けていた。彼女は自分のメイトが別の女の子を愛していること、そしてその女の子が自分の親友であることを知っていた。
私にできる唯一のことは、振り返って走り去ることだった。そして私は速く走った。背後から皆が叫ぶ声が聞こえ、彼らの足音が地面を打つ音が聞こえたので、走りながら変身して逃げた。なんとか全員から逃げ切った。レイヴンに任せて、ただ泣いた。失った友人と恋人のために泣いた。レイヴンは洞窟を見つけてそこに潜り込んだ。私は心の周りに壁を作った。届いていた全ての心のつながりを遮断しながら、泣き疲れて眠りについた。
