トゥ・ザ・マウンテンズ

地下牢を出たカスピアンは、体に付着した血を洗い流そうともしなかった。血は顔や体に飛び散っていた。自分の姿がどう見えようと構わなかった。重要なのは彼女を見つけ出すこと、ただそれだけだった。

彼はまっすぐ山へ向かい、配下の戦士の大半に追従を命じた。探すべき洞窟や岩穴は数多くあったが、必要とあればどんな小さな裂け目までも探す覚悟だった。

伴侶の絆は確かに繋がっており、彼女が生きていることは分かっていた。彼はそれに、まるで命綱のように必死に掴まっていた。それは彼を現実に繋ぎ止める細い糸だった。もし彼女を見つけられなければ、その糸はぷつりと切れてしまうだろう。

軍勢はまるで、忽然と姿を消したかのよ...