第15話

エロス視点

ムーンウォーカーパックまでの運転は比較的長く、私たちのパックから彼らのパックまで約2時間かかった。ほとんど沈黙の中で進む車内で、全員の間に漂う緊張感を感じずにはいられなかった。

「ゼウスは神経質になっている」とデイモスが兄の不安を感じ取って唸る。

「アレスもそうだね」と私はコメントし、車のダッシュボードに表示された時刻に目をやると、今や午後5時30分に近づいており、ようやく目的地に到着しようとしていることに気づく。

「ここだ」とカイが声をかけ、私たちは思考から引き戻される。周囲のパックの様子を見回すと、このパックの土地は風景を含め多くのものが欠けていることに気づいた...