第154話

エロスの視点

カイや、アレスとアテナを救うために戦おうとする仲間たちと森を駆け抜けるとき、混沌に飲まれないようにするために私にできることは、目の前の任務に集中し続けることだけだった。私のメイトと弟、それ以外は何も考えないようにした。

「メイトたちが近い。彼女を感じる。アレスも」とデイモスが囁き、私たちの足は未踏の地を駆け抜けていた。

「完璧だ。正しい方向に向かっているということだな」と私はデイモスに確認する。

遠吠えを放ち、その声でアテナかアレスに届くことを願った。

お願いだ…どうか彼らに私の遠吠えが聞こえますように、と月の女神に祈る。いつものように彼女が私たちと共にいてく...