第31話

アテナの視点

全員が落ち着いたところで、アレスとエロスは私をアルファの執務室へと案内し始めた。目的は彼らの両親に会うことと、私とマヤをパックに加入させることだった。パックへの加入はアルファだけが執り行えるもので、アレスとエロスはまだアルファではなかったからだ。

「準備はいいかい、愛しい人?」と執務室のドアに近づきながらエロスが尋ねる。「うん」と私は答えるが、実際にパックの一員になるという考えに胸が高鳴っていた。9歳の時、両親がまだパックを持っていた頃以来、パックに所属していなかったのだから。

「緊張してる?」と私の激しい鼓動に気づいたアレスが尋ねる。「少し」と私は認め、彼の方向を...