第75話

アレスとエロス視点

2週間、この忌々しい2週間、俺たちはまだ行方不明のメイト、俺たちのルナを見つけられずにいた。どこを探しても手ぶらで帰ってくるばかりで、得られるのはメイトの裏切りからくる激しい痛みだけだった。ある日は軽いキスや触れ合いのような軽度の痛みだったが、別の日にはエロスと俺が死を願うような瞬間もあった。

「そんなことを言うな...メイトは俺たちを裏切っているわけじゃない、強制されているんだ、それは違う。メイトは俺たちを愛している」とゼウスが唸る。彼はいつも俺たちの理性の声になろうとしていた。一方、デイモスはメイトを失って以来弱りすぎて、絶対に必要な時以外はエロスとほとん...