第165話

イジー

私の意識は明晰だったが、数瞬前、私の全身が何かに反応していた。体と心が何かに手を伸ばそうとしていたような感覚だったが、それはそこにはなかった。

眠りについたことは覚えているが、突然、私の体は独自の意思を持ったようだった。迷子になり、暗闇の中で穴に落ちていくような感覚だったが、自分がどこにいるのか分からなかった。

数瞬後、私は平静を取り戻し、深い眠りへと誘われた。私の体は休息していた。しばらくの間、そんな休息が得られるとは思ってもいなかった。

私はさらに身じろぎしたが、背後に動きを感じた。とても平和な気分だったが、私は動き、二つの体か何かの間にクッションのように挟まれていた。手を...