第169話

「なぜ私たちがどこにいるのか教えてくれないのかわからないわ。何時間も歩いている気がする」と私が言うと、シンは柔らかく笑いながら、天知る場所へと私を導き続けた。目隠しされていたため、私たちがどこにいるのか分からなかった。

「焦らないで、アモーレ。それに、車を降りてからまだ3分しか経っていないよ」

「そうね、でも車の中でずっと目隠しされていたのよ」と私は鼻を鳴らした。

「本当に待ちきれないんだね、アモーレ。あともう少し、ヴィオレンタ夫人」

私は笑顔になった。正式に結婚したという事実が嬉しかった。

彼が私を抱き上げると、私は小さな悲鳴を上げた。周りには暖かい空気が漂っていた。私はわくわくして、彼が目...