第62話

ホテルの部屋のリビングルームにいた私。シンの姿はどこにも見えなかった。おそらく私がベッドで寝ている間に、今朝早く出かけたのだろう。私はため息をつき、テレビの番組にはあまり注意を払っていなかった。頭の中はシンがいつまで無言の扱いを続けるのかということでいっぱいだった。

昨日、私に説明する機会を与えず、ジェイソンの言うことだけを聞いたことに腹を立てている自分もいた。

昨日のことを考えると、これはすべてジェイソンの計画だったのではないかと思わずにはいられなかった。シンの私への信頼を揺るがすための。

これが昨日彼の言っていたことの意味だったのか？

私は溜息をつき、ソファで体を丸めて、シンが戻っ...