第176話

アイラ

セスの金色の瞳はアイザックに留まったまま、無表情な顔で見つめている。もちろん、彼は期待通りの熱烈な祝辞を述べ、戦いの最中に生まれた王子について延々と語っていた。

でも、たとえ私だけが気づいたとしても、彼の目は本当の感情を漏らしていた。

一方、トリニティはマドックスのオフィスの隅に居続け、奥の壁に並ぶ本棚の書籍に興味があるふりをしている。

この二人はいったい何をしているの?そして何より、なぜ?

「セス」マドックスが机に広げた地図から顔を上げて言う。「少し二人だけで話がしたい」

セスは頷き、マドックスがドアの方を示すと、背後で手を組んだまま立っている。私は暖炉のそばの革張りの肘掛け椅...