第315話

エラ

最初、私は寒い石造りの寝室でライアットの前に立っていると思った。小さなベッドとタンスだけが置かれた空間。でも、ライアットではなかった。氷河のような青い目が私を通り過ぎて見つめ、その男が振り向くと、彼の顔には思い詰めた表情、眉間にはしわが寄っていた。その表情はただ一人の男性、たった一人だけのものだと私は知っていた。

しかしウェストフォール司令官はずっと若かった。この幻影、この夢の中で、彼はライアットよりそれほど年上ではないように見える。ウェストフォールは足早に進み、私の横をすり抜けた。私は振り返り、彼の動きを追った。

「これは狂気の沙汰だ」とウェストフォールは、膝の上で眠る子供を...