第366話

オリビアの濡れた頬と赤い目が僕の中で何かを壊すけれど、自分の体を取り戻せて、コントロールを取り戻せてとても嬉しくて、彼女を腕に抱きしめ、もし彼女が望むなら月でも約束してあげたいと思う。

「モーゼ?」オリビアが尋ねる。

僕は激しく頷きながら言う。「そうだよ、美しい人」

彼女の温かい体を自分に感じたくて、彼女の甘い香りで肺を満たしたくて、満足するまで彼女の裂けた唇にキスしたくて、僕は彼女に近づき、アンセルの腕から彼女を奪い取る。僕の悪魔が彼女にしたことの後で彼女が僕を押しのけるかと思ったけど、彼女は泣きながら僕にしがみついてくるだけ。もし僕の悪魔が彼女をこんな風に傷つけるとわかっていたら、僕...