第152話

亡命がこんな形になるとは想像もしていなかった。

ガブリエル王の宮殿は、私がこれまで見た中で最も贅沢な豪華さの極みだ。私だって豪邸や宮殿に縁がないわけではないのに。その考えだけで頭がくらくらする…貧しい孤児だったエラが、国中の最も重要な人物たちと肩を並べ、政治的脅威となるほどの社会的地位を得るなんて、誰が夢見ただろうか?

車を降り、建物に入ると、私はただ畏敬の念を抱きながら周囲を見回すことしかできない。ここの富は、私の故郷の大陸の富を無に等しく見せるほどで、空気は街を形作る奇妙な結晶のエネルギーで振動しているようだ。私たちは宮殿の簡単な案内を受けた後、広大な一連の部屋へと案内された。シンクレア...