第21話

シンクレア

私のオオカミは壊れているんだと思う。

本気で。

彼に何が起きているのか全く理解できない。昨夜、エラに対する脅威で心臓が胸から飛び出しそうになったけど、それは予想通りだった。予想外だったのは、エラが私の匂いを洗い流したと気づいた時のオオカミの動揺ぶりだ。エラに言ったことと違って、それはカバーを守るためじゃなく、彼女が匂い付けされていないことに対してオオカミがかんしゃくを起こしたことに全て関係していた。

彼女と裸でいることは祝福であり呪いでもあった。一日中彼女の美しい体を喜んで眺めていられるけど、その親密な身体的接触で少なからず興奮してしまった。オオカミが満足した頃には金玉が痛くなる...