第310話

シンクレアは安堵の表情で顔を上げる。「大丈夫だよ」と彼は言い、使い切れなかったアドレナリンで体を震わせながら、「彼は…ここにいる…まだ眠っている…」

喉から嗚咽が漏れ、私は目を閉じてドア枠にしがみついたまま床に崩れ落ちる。体を走る震えを止められない。この1分間、いや、たった30秒でさえ、私の人生で最も恐ろしい瞬間だった—

誰かが私の赤ちゃんを—この世界に連れてくるために私がどれほど苦労した、この愛しい新しい命を—奪いに来たという考え—その考えだけで—

今や私は息もできないほど泣き崩れている。パニックが私を襲う。木の枠に頭をもたせ、顔を押し付ける。自分を抑えることも、考えることもできない—...