第365話

シンクレア

下水道を素早く移動し、予想していたよりも短い時間で発射地点に到着した。携帯電話を確認するが、本部からのメッセージが届いているとは思っていなかったものの、やはり残念だった。

我々の部下たちが下水道の出口の両側に並ぶ中、その出口はザンダーの敷地に直接通じている。ロジャーが私の方を向いた。

「準備はいいか?」彼は表情を引き締めて尋ねる。

私は単にうなずくだけで、胸の中で不安げに歩き回る狼を無視するよう最善を尽くした。そして、私と兄は一斉に列の先頭に進み出た。予期せぬ攻撃があれば、部下たちではなく私たちが受けたい。

私たちの背後で部下たちが二列に緊張して立つ中、ロジャーはゆっくり...