第386話

エラ

旅は一晩キャンプ場に立ち寄った瞬間から飛躍的に良くなった。

「やっと」と私は溜息をつき、赤ちゃんを腕に抱えながらRVの階段を降りて、新鮮な空気を深く吸い込んだ。赤ちゃんは明るく興味津々な目で周りを見回している。「安定した地面に戻れて良かった」

「あなたをボートに乗せないようにしないとね」とシンクレアが私の後ろから階段を降りながら呟いた。「これが嫌だったなら…船はもっと耐えられないだろうね」

「はい、そうですね」と私は受け身に答え、赤ちゃんを見下ろして微笑んだ。彼は片腕を自由にして涼しい夕方の空気に手を伸ばし、近くを通り過ぎるホタルに向かって指を握った。私は砂漠への海の旅の方が、こ...