第455話

エラ

私は仲間の手から手紙を奪い取り、「彼は私の王子様なんかじゃない」とつぶやくけれど、誰も私の言葉に注意を払わない。私は封筒を破り、中の短い手紙を熱心に読む。その内容を見て、私の眉は驚きのあまり額まで上がりそうになった。

「何て書いてあるの?」コーラが身を乗り出して尋ねる。

「彼は…夕食に行きたいって」私は少し眉をひそめながら言う。

「夕食?」シンクレアは眉をひそめ、両手をポケットに滑り込ませる。「一体なぜそんなことを?これから数日間で、アタラクシア人との夕食会が三回も予定されているのに、彼はそのどれにでも参加できるはずだ—」

「違うわ、ドミニク」私は彼を見上げながら静かに言う。「...