248話

一時間もしないうちに、モアナと私は緊張しながら両親の邸宅の玄関階段を上がっていた。

万が一何か不吉なことが起きていたら困るので、エラはセリーナに預けてきた。家はほとんど暗く、これは普通ではなかった。玄関のドアをゆっくりと開けると、私の心臓が喉元まで上がってくるのを感じた。

「誰かいる?」私はモアナの手を握りながら広い玄関ホールに足を踏み入れた。「ママ?」

返事はなかった。モアナと私は不安な視線を交わし、さらに中へ進んだ。

「ヴェローナ?」モアナは両手を口の周りに当てて、声が遠くまで届くようにして呼びかけた。「いらっしゃいますか?!」

やはり返事はなかった。私たちは母がよく自由時間に過...