172話

心温まる。

それはニコライが、家族のプールの外縁にあるカバナの一つに座って目の前の光景を描写する言葉だった。彼は二つの家族が絆を深め、彼らを進んで愛し仕える人々と交流する様子を見つめていた。彼も加わりたかったが、母国の会社からの仕事、さらには海外からの仕事も山積みになっていた。報告書の修正をしながら、伴侶の笑い声が彼の顔に笑みをもたらした。彼女の笑いは彼の耳には最も甘い旋律だった。それは彼がすべてから解放されたいと思うときによく弾く、お気に入りのクラシックピアノ曲の一つを思い出させた。今や彼はそれに代わるものを見つけた。

彼の伴侶を。

ニコライは仕事に没頭するあまり、自分の父親が向かい側...