215話

ディミトリ

今、私たちがすべきことは待つことだけだった。肩越しに眠っている伴侶を一瞥した。夜も更けて、もう次の日の早朝と言えるほどの時間だ。私が地位を取り戻してから多くのことが起きた。シアが私の元に呼び出されることは分かっていた。散り散りになっていたガードたちとロマーノパックのメンバー全員が召集された。三人だけが霊界での私の呼びかけに応じなかった。おそらく彼は私の召喚を無視し、彼の狼も同調したか、あるいは彼の狼が主導権を握ったのだろう。

親友として考えれば、彼の狼クレインが彼の思考をねじ曲げたのかもしれないが、私はそうではないと分かっていた。

現在、エレナと私はアルファの家の一室、家族の...