75話

「こっちだ。こっちの方が暖かいよ」

二人は薄くて擦り切れたジャケットにさらに身を寄せ合いながら、突然の雨から逃れるためにレストランの裏路地へと駆け込んだ。二つのゴミ箱の間にある大きな古段ボール箱に身を隠した。古いゴミの臭いがしたが、彼女たちはその臭いに慣れていた。

「シェルターはあと二ブロック先だよ。行けたはずなのに」黒髪の少女は言うと、咳き込み始めた。

「わかってるわ、ロサ。でもあなた具合が悪いでしょう。乾いていないといけないの。これ以上悪くなるのを見たくないわ」友人は彼女を温めようとしながら言った。

「わかったわ。水は残ってる?」ロサは尋ねた。

エヴァはバックパックを調べ、友人が...