127話

彼は黙ったまま、首筋に顔を深く埋め、体は激しく震えている。自制心を保つ能力が崩れ去っていく。

「怖いのはわかるよ、コール。怖がる権利は十分にある。あなたの信頼は揺らいでいるし、人を信じる力はさらに弱まっている。だからこそ余計に難しいんだけど、約束するわ。私たちはあなたを助けるためにできることを全てするつもりよ」

私はそっと彼の頭に自分の頭を乗せながら囁き、リリーが彼の頭を優しく撫でる中、彼を抱きしめている。

「動作はゆっくり優しくね、パトリック。シアラを助けてくれた時から随分経ったものね」

「正直に言うとピアス先生、コールほど身体的に傷ついた見込み者と仕事をするのは初めてです。シアラも...