128話

(パトリックの視点)

「よろしければ、私のことを少し話させてください。これは遠回りの自己紹介になりますが、説明よりも物語として伝えた方が、あなたの足の治療を手伝わせてもらう際にリラックスしていただけるかと思いまして」

ベッドに歩み寄りながら、彼の受け入れ具合を探る。

「二十年前、デメトリがアルファになる前、私は見習いプログラムに参加していました。荷物をまとめてカナダ国境近くのメイン州の小さな町まで十五時間北上したんです。バスが到着すると、アルファとベータ、そして彼らの家族が出迎えてくれました。ベータの娘マンディもそこにいて、私はバスから転げ落ちました。文字通り、顔から地面に突っ込んだんです...