156話

(コールの視点)

アルファが肩に触れると、その場で凍りついた。彼は今まで他のどのアルファよりも優しく接してくれているけど、僕は苦しんでいる。ここがとても酷い場所だという噂が、まだ頭から離れない。僕が行った全ての群れには厳しく容赦がないという噂があって、これまでの四つの群れのうち三つはまさにその通りだった。僕の不安定な精神状態と身体の健康を許してくれなかった。

彼らは僕に話すよう、隠しておきたいことを話すよう説得した。僕は特別扱いされたくなかった。区別されて違う扱いを受けたくなかったけど、父が長年にわたって与えた傷は逃れられないものなんだろう。

他の者たちと違って、このアルファは厳格である...