197話

恐怖が再び彼の怒りに取って代わり、体が震え始める。私は素早くパッドを外し、彼の方へ向かう。

ジュリーとパトリックも私に続き、マットの上でうつ伏せになっている彼のもとへ歩み寄る。

彼が身を丸めて身を守ろうとしているのがわかる。そうする許可をもらったにもかかわらず、彼は自分の発言で罰せられると思っているようだ。

「レッドファングから出る手助けができるわ。ここを出る必要はないのよ」ジュリーが彼を落ち着かせようとするが、彼女が髪に指を通すと抵抗される。彼はマットに爪を立て、体中を駆け巡る感情の波に苦しんでいる。

「いや、触らないで。傷つけないで。おとなしくするから、お願いだから傷つけないで」

彼の突然...