118話

フィオナ

時計を見たとき、もう10時近くだったなんて信じられなかった。

「みんなをこんなに遅くまで残らせてしまったわね」と、午後から夕方にかけてずっと一緒に働いていた3人の同僚に言った。明朝までにクライアントに提出する予定の企画書はほぼ完成していた。残りは早めに出社して自分一人で仕上げることができるだろう。「今夜はここまでよ。みんな帰りなさい。明日続きをやりましょう」

彼らは安堵して急いで立ち去った。私が会議室でまだ資料を整理している間に、3人とも素早く荷物をまとめてエレベーターに向かうのが見えた。

私はとてもそんなに早く動ける状態ではなかった。自分なりのずっとゆっくりとした終業ルーティ...