123話

アレキサンダー

聞き覚えのある笑い声が聞こえて顔を上げると、ケイデンが私に向かってニヤリと笑っていた。「聞いてもいいかな?」

私のベータは、彼に会いに歩いている途中にスマホを見ていた私を目撃したのだ。フィオナが送ってきた写真の一つを彼女の連絡先画像に設定していたところだった。

「聞かない方がいい」私はスマホをロックしてポケットに滑り込ませた。「準備はいいか?」私はアイリスの部屋の方向に顎をしゃくり、私たちはその方向に歩き始めた。

ケイデンは肩をすくめた。「今日は機嫌がいいことを祈ろう」

彼女は確かに機嫌が良かった。

アイリスはドアを開けると満面の笑みを浮かべた。彼女の「こんにちは」...