157話

駐車場に着くと、リムジンが私たちを待っていた。アレクサンダーを見上げると、彼の唇には得意げな微笑みが浮かんでいた。

「素敵ね」と、彼の手を借りて車内に滑り込みながら、私は感心して言った。

疲れるほど楽しかった結婚式の日と、ほぼベッドの中で過ごした一晩、愛の雲の中で世界を忘れた後、今朝、新しい夫は台所で手の込んだ朝食を作ってくれた。予想通り美味しく、そう伝えると彼も予想通り喜んでいた。私の気分は最高潮で、とても快適なリムジンの乗り心地は素敵な仕上げだった。

しかし今、私たちは新婚旅行の目的地ではなく、老人ホームの祖父を訪ねる途中だった。だから、この至福の気分もすぐに終わるかもしれないと分かってい...