22話

フィオナ

「彼も連れていけ」王が言い、アレクサンダーを指さした。

さらに二人の衛兵が現れ、アレクサンダーの両側に立った。彼は逞しい腕を粗暴に掴まれても抵抗せず、完全に冷静なまま従い、兄の数歩後ろを涼しい顔で歩いて出ていった。

私の前を通り過ぎる前に、アレクサンダーは目を向け、私をまっすぐ見つめた。彼は素早く一度だけ首を横に振ると、再び前を向いて姿を消した。彼が私に関わって欲しくないことは分かっていた。彼が自分でこの問題を解決するだろうことも。

しかし、その瞬間から私は彼らの後を追っていた。後ろで何かの騒ぎがあったが、それが王が私に止まるよう命じていたことかもしれないと気づいたのは後にな...