ブック3:第91章

ゼイド

指を鳴らす音にはっと目を覚ましたが、部屋には誰もいなかった。

まず探したのは妻の姿だ。ティファニーなら何があったか知っているだろう。彼女の香りは新しかったが、俺自身は酷い匂いを発していた……うげぇ。

どうしても必要なシャワーを浴び、シーツを焼却炉のシュートに放り込んでから、ブルージーンズと白いシャツに着替えた。だが、靴は履けない。爪が靴を突き破っちまうからだ。ちくしょう。

裸足ではあったが、服を着てまあまあ見られる格好になり外へ出ると、妻が彼女の母親と一緒にいるのが見えた……そして、大量のベビー用品も。

卵の匂いはしなかった……こういう時、俺に内なる獣がいないのは幸いだった。頭の中で...