22話

「これすごいよ!」

私は1時間ほど、この新しい携帯をいじくりまわして、できることをすべて把握しようとしている。

「別に珍しくもない。ほとんどの携帯は同じことができるよ」アルテミスは何気なく言う。

私は肩越しに彼を見るが、彼の目はテレビに集中している。まるで生まれて初めてテレビを見ているかのような集中ぶりだ。みんなが彼の仕事が人生そのものだと言うのも納得できる。

「私にとっては珍しいのよ。あなた、鼻持ちならないわね」私は言い返してから、手の中の素晴らしい小さな機器に意識を戻す。

前に持っていたものよりずっと大きいから持ち心地は変だけど、画面はとても大きい。アルテミスをからかうために、ブ...