85話

その後は空白だった。世界で最も魅力的なベッドを見つけ、寝心地を試すために入ったのだが、結局すぐに意識を失ってしまった。そのベッドはフィジーで使っていたものとまったく同じ感触で、私は赤ん坊のように眠った。経験したことを考えれば悪夢を見るだろうと思っていたが、疲れすぎていたか、あるいはまだショック状態で現実が完全に飲み込めていなかったのかもしれない。いずれにせよ、翌朝目覚めると、昨夜の不安や恐怖のほとんどが消えていた。おそらく、これまで経験してきたすべてのひどい出来事が、私を鈍感にしてしまったのだろう。

それはおそらく良いことではなく、いずれセラピストと話し合うべきことがまた一つ増えた。

腕の...