第438話

すぐに、ルシアンはジェームズの精神科クリニックの前に車を停めた。

道中で電話をしていたため、ジェームズはすでにドアで待っていた。

車から降りたルシアンは、まだ泣いているエステラを抱き上げるため、反対側に歩み寄った。

彼が手を差し伸べると、彼女は横に身をかわした。

「僕にやらせて」とジェームズが前に出て申し出た。

彼はエステラに手を差し伸べて、優しく言った。「エッシー、いい子だね。抱っこさせて」

エステラは首を振り、むせび泣きながら言った。「ジャービスさんがいい…」

ジェームズは思わず困惑して眉をひそめ、ルシアンを見た。

ルシアンは先ほどの電話でエステラが泣き止まないと言っていたが...