第606話

しばらくして、ルシアンはコルビーから冷たい視線を外した。それに対してコルビーは安堵のため息をこっそりとついた。

その後、コルビーは反射的に一歩下がり、ルシアンに席を譲って自分は横に立った。

二人は昨日の監視映像を見始めた。最初はロクサーヌがジャックと実験を行っている場面だった。

映像の中では、ロクサーヌがジャックと冗談を言い合っていた。

コルビーも映像に映っていたが、彼はロクサーヌとジャックの数歩後ろにいて、二人とはまったく異なる表情をしていた。

全体的に見ると、コルビーだけが実験に集中しているようで、他の二人は仕事に関わっていないように見えた。

ルシアンはいつもロクサーヌがジャックに対して...