第193章 裏切ったら、もう信じるな

「説明できるよ」山本希は眉間を押さえ、心が少し乱れていた。

相手は黙ったままだった。

明らかに彼女がどんな言い訳をするか見たいようだった。

「友達と部屋に閉じ込められて、部屋の中の香りが人の体温を上げるような効果があって」山本希は言い方を変えたが、隊長が理解していることはわかっていた。「だから冷静になろうとあなたに電話したの」

彼女の言葉を聞いて、男は怒るべきか笑うべきか分からなかった。

電話して冷静になるなんて。

よくもまあこんなことを思いつくものだ。

「冷静になれたか?」

「なったわ」

「周囲は安全か」

「安全よ」

これらの返答を得て、電話の向こうの人もやや安心した...