第133章

カラオケに戻った古城美雪は、吐いた後で酔いが半分覚めたものの、良い気分はすっかり消え去っていた。

せっかく妹と一緒に集まったというのに、どうしてあんなクズ男に出くわさなければならないのか。

時間があれば寺に参拝に行かなければ。夜に出かけても不浄なものに遭遇しないように。

そのとき、温かい小さな手が古城美雪の腕を掴んだ。

古城美雪は暗い瞳を上げ、古城菫の姿を見た瞬間、無理に笑顔を作った。

「菫……大丈夫よ」

「お姉ちゃん、さっきあなたに絡んでいた男の人……北島さんじゃない?」古城菫は古城美雪の腰に腕を回して支えながら、心配そうに尋ねた。

「うん」古城美雪は小さな声で答え、力なく頷...