盗まれた恋

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第14章

自分が無実の罪で怒りを向けていることに気づいた古城美雪は頬を軽く叩いて、気を引き締めようとした。

十三年間の感情を、さっと捨て去れるなんて、誰にもできないことだろう。

目を閉じると、古城美雪はまるで二年前のあの嵐の夜に戻ったかのようだった。胃の痛みで死にそうになり、北島神人に電話をかけたときのこと。彼が助けてくれるとは期待していなかった。ただ、せめて電話に出て、彼の声が聞ければ、それだけでも大きな慰めになったはずだった。

しかし、誰も出ない現実が容赦なく平手打ちを食らわせ、この関係に対する僅かな期待も打ち砕かれた。

まあいいか、今はもう彼とキッパリ縁を切ったんだ。たかが北島神人ごとき...