第141章

一週間近くが経ち、北島美智子はようやく検察庁から出てきた。髪は乱れ、顔は汚れ、全身から不快な臭いを漂わせていた。

高級化粧品の力を借りることもできず、北島美智子の顔色は暗く黄ばみ、手入れの行き届いていた肌は十歳ほど老け込み、白髪まで何本も生えていた。

押し寄せる記者たちを避け、この姿で家に帰る勇気がなかった。北島英一に見られたら、長年かけて築いてきたイメージが崩れてしまうからだ。

そこで北島美月が付き添い、まずは秘密裏に美容室へ行った。風呂に入り、新しい服に着替え、白髪を抜き、肌の色を明るく見せるナチュラルメイクを施してから、ようやく人前に出る覚悟ができた。

「まだ家には帰らないわ。...