盗まれた恋

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第145章

秋山真司に連れられなければ、古城美雪はA市の南郊外にこんな広大なバラ園があることなど知るよしもなかった。

ここは秋山家の所有地ではなく、彼の私有財産で、百エーカーを超える花畑には、ダマスクローズだけが植えられていた。

油絵のように色濃く描かれた夕陽の下、緑豊かな中で、淡いピンク色のバラが露を含んだように艶やかに咲き誇り、その情熱的な姿に古城美雪の視線は釘付けになった。

今もなお、カップルたちが園内をのんびりと散策し写真を撮り、インフルエンサーが生配信をしている光景に、仕事で何日も緊張していた美雪の心と体は癒されていった。

二人のあまりにも際立つ容姿は、訪れた人々の羨望の眼差しを集めて...